朝の忙しい玄関先。「早くしなさい!」という声とともに、お子さまが急いで靴に足を突っ込み、ベロがクシャッとなったままマジックテープを留めて出かけていく……。そんな光景、よく見かけませんか?
実はこの何気ないクセが、骨格がやわらかい成長期の子どもの足に、じわじわと影響を与えているかもしれません。今回は、今日から親子で実践できる「正しい靴の履き方」のコツをお伝えします。
靴を履くときの「ベロを引く」ってどういうこと?
「ベロ(シュータン)」とは、靴の甲の部分にある、泥よけのようなパーツのことです。この部分は、歩くときの衝撃や締め付けから足を優しく守り、靴と足を隙間なくフィットさせる大切な役割を持っています。
もし、このベロが中に巻き込まれたり、根元で折れ曲がったりしていると、足の甲に余計な力がかかってしまいます。すると、歩き方が不自然になり、将来的な足のトラブルの原因になってしまうこともあるのです。
なぜ、ベロを引くだけで子どもの成長が変わるの?
指先が自由に動いて、土踏まずが育つ
ベロを真っ直ぐ引き上げると、足の甲が正しい位置でしっかり固定されます。意外かもしれませんが、「甲が固定される」と、逆に「指先」には適度なゆとりが生まれます。このゆとりこそが大切! 指先をグーパーと自由に動かせる環境ができることで、きれいな土踏まず(アーチ)の形成を助けてくれるのです。
かかとがピタッと安定し、姿勢が整う
ベロを整えてから面ファスナーを締めると、足のかかとが靴の後ろ側に吸い付くように密着します。足は体の土台です。かかとが安定すると、ぐらつきが抑えられ、全身のバランスが整って背筋の伸びたきれいな歩き方につながります。
正しい靴の履き方 4つのステップ
お子さまと一緒に、以下の4つのステップを練習してみましょう。
ステップ①:ベロを「びよーん」と引き出す
足を入れやすくするために、ベロを根元からしっかり引き上げて、履き口を大きく広げます。
ステップ②:かかとを「トントン」して合わせる
つま先を上げた状態で、床にかかとを軽くトントン。靴のかかと部分と足をピタッと合わせます。
ステップ③:甲の両側を引き寄せて整える
ベロが折れ曲がらないように、甲の布地を中央に集めて平らに整えます。
ステップ④:ベルトや紐を「ギュー」と締める
ベロを上から押さえながら、靴の中で足がズレないようにに面ファスナーや紐をしっかり留めます。
もし、ベロを引かないで履き続けたら?
「履ければどれも同じ」と思われがちですが、毎日の積み重ねで将来の足の形や姿勢に大きな差が出てきます。
| 比較項目 | ベロを引いて正しく履いた場合 | ベロを巻き込んで履いた場合 |
|---|---|---|
| 足の安定感 | かかとが密着し、ぐらつかない | 靴の中で足が前後左右に動く |
| 指の自由度 | 指でしっかり地面を蹴れる | 指が圧迫され、浮指の状態を招く恐れ |
| 将来のリスク | 足本来の健やかな成長を助ける | 扁平足や外反母趾の原因になることも |
正しい履き方が健やかな足を育む
靴のベロを引き、かかとを合わせて履く。これは単なるマナーではなく、お子さまの健やかな成長を支えるための「足育(あしいく)」です。正しい履き方を身につければ、お子さまはもっと元気に走り回れるようになり、一生モノの健やかな歩行習慣を手に入れることができます。
靴の履き方に関するQ&A
※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、疾患の診断や治療を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は、必ず専門医にご相談ください。