すぐに「抱っこ〜!」と言う子、実は靴が合っていないかも? 成長を支える足の健康チェック
この記事のポイント
子どもの足は大人と違って骨のほとんどが柔らかい軟骨でできています。すぐに「抱っこ」と甘えたり、何もないところで転んだりするのは、わがままではなく、実は足もとからの大切なSOSかもしれません。合わない靴や誤った履き方が将来の姿勢バランスや運動能力に影響することがあります。

本記事では、お子さまが発する「歩きたくない」というサインの真意を解明し、骨格バランスを整えるための具体的な解決のヒントをご紹介します。

お出かけの際にすぐ「抱っこ」をせがんだり、何もないところでつまずいたりする日常のシーンを振り返りながら、足もとから未来の健康を守る方法を学んでいきましょう。

「抱っこして!」は甘えじゃなくて足の声?

お出かけのたびに「もう歩きたくない! 抱っこ〜!」と言われると、つい困ってしまいますよね。でも、それは心の問題ではなく、足がうまく動かせていないという体からのメッセージかもしれません。

  • 未完成で柔らかい骨格
    子どもの足は大部分が軟骨でできていて、非常に柔らかく変形しやすい状態です。
  • 痛みを感じにくい危険性
    骨が未発達なため、サイズの合わない靴を履いていても痛みを感じにくく、無意識のうちに無理をして歩いていることがあります。
  • 土台(骨格)のバランスが不安定
    土踏まずが潰れている状態では、歩くときの衝撃をうまく吸収できず、疲れやすくなってしまいます。

なぜ日本の子どもは足のトラブルが起きやすいの?

日本における足のトラブル増加の背景には、文化的な習慣が大きく影響しています。

項目 習慣(現状) 理想
優先事項 脱ぎ履きのしやすさ、手軽さ 足の固定、骨格のサポート
サイズ選び 「すぐ大きくなるから」と大きめを選ぶ 3カ月〜半年ごとのこまめな適正計測
履き方 かかとを潰す、ベルトを緩く締める かかとを合わせ、ベルトでしっかり固定

日本の生活様式は靴を脱ぎ履きすることが多いので、脱ぎ履きが楽な靴を選びがちです。歩いている最中に靴の中で足が泳いでしまい、デリケートな成長期の骨格バランスを崩す原因になることがあります。

わが子の歩き方は大丈夫? 3つの確認ポイント

ご家庭で簡単にできる、お子さまの足の健康チェックリストです。

  • ①靴底の減り方をチェック
    靴を後ろから見てかかとの内側だけがすり減っている場合、扁平足の傾向が出ているサインかもしれません。
  • ②立ち姿勢と歩き方をチェック
    猫背気味になっていたり、あるいは何もない場所でよくつまずいたりする場合、足もとが不安定になっている可能性があります。
  • ③かかとの傾きをチェック
    後ろから見たとき、かかとが外側や内側に倒れこんでいないか確認してください。

今日からできる「正しい靴の履き方」4ステップ

靴の機能を最大限に引き出す合言葉は「トントン、ギュー」です。

    正しい靴の履き方

  • Step①:足を入れ、かかとを合わせる
    靴のベロを引き上げ、足を奥までしっかり入れます。
  • Step②:かかとをトントン
    つま先を上げたまま、かかとを床にトントンと叩き、靴の後方へしっかりと足を合わせます。
  • Step③:甲をギュー
    面ファスナー等のベルトを締める前に、甲の部分を中央に寄せます。
  • Step④:ベルトをピタッ
    隙間がないよう、適度なホールド感で締めて足を固定します。

足もとから育む、一生モノの健康

子どもの足は、3歳半までは半年で約10mm、それ以降も半年で約5mmという驚くほどのスピードで成長します。「今」の足にぴったりの靴を選び、正しく履く習慣をつくることこそが、将来の姿勢を意識しやすくすることや、元気に走り回れる体づくりを支える、親御さんからの最高のプレゼントになります。

子どもの足の成長に関するQ&A

Q. 子どもが「足が痛い」と言わない場合、足のトラブルはないと考えて大丈夫ですか?
A. いいえ、子どもが痛みを訴えないからといって、足に問題がないとは限りません。

理由は以下の2点に集約されます。

①足の骨がまだ軟骨の状態:子どもの足は骨の多くが柔らかい軟骨でできており、痛みを感じにくいという特性があります。

②その状態を当たり前と感じてしまう:少しずつ足の形が変わっていっても、お子さま本人は「これがいつもの感じ」と思ってしまい、違和感として伝えられないことが多いです。

ママやパパが時々、靴の減り方や立ち姿を見てあげたり、3ヶ月に1回くらいはプロにサイズを測ってもらうのが一番の近道です。
Q. 子どもの靴は少し大きめを買ってもいいですか?
A. 気持ちはよくわかりますが、大きすぎる靴は足の変形や歩行トラブルのもとです。

・靴の中で足が泳いでしまう:靴が大きすぎると、脱げないように無意識に指を丸めたり、変に力を入れたりしてしまいます。これによって浮指の傾向が生じ、姿勢のバランスを崩す原因になってしまいます。

・理想のサイズ:つま先に5mm〜10mm程度の余裕(捨て寸)がある状態が理想です。

・買い替えの目安:3歳半くらいまでは「3カ月に一回」、それ以降は「半年に一回」くらいのサイズチェックが目安です。
この記事を監修したシューフィッター 久保
子どもの「抱っこ」「疲れた」は足のSOSかもしれません。言葉にできない違和感を行動から読み取り、正しい靴選びで成長を支えましょう。

※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、疾患の診断や治療を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は、必ず専門医にご相談ください。